着飾って歩く人々は、口々に新年の挨拶を言い合って何だか楽しそう  

初詣







人工の光に満ち溢れた町
着飾って歩く人々は、口々に新年の挨拶を言い合って何だか楽しそう

そんな中でもやっぱり俺は
何時もの通り、待ち惚け

「ひーよーこv」
「狽チわあ!?」

後から抱き付かれて
俺がが何時も被っているニット帽を取られて
金に脱色した猫っ毛がこぼれる
女みたいな髪で、俺のコンプレックスの一つ
ふわふわな金の髪は、雛の体毛と同じ
からかわれるって分かっているのに、何時も同じ色の髪は
銀さんのお気に入りの一つ

結局、俺はこの人に甘いのだ

「ちょ、銀さん……」
「まった?」
「……待ったじゃ、ないっすよ……」

待ち合わせは12時ジャスト
年が変わる瞬間だったはず

唯今の時間……

1月1日
12時35分

「悪ぃ、親父に捕まってな」
「…もう」

この人の実家はお寺で
実の父は住職らしい
でも、この人はお寺なんか継ぐつもりは一切なくて

「銀涯(ぎんがい)」何て大層な名も嫌って

皮肉るように、業と銀色に髪を染め抜いて

とても、この人らしいけれど
天真爛漫に生きている

少し、うらやましい
邪魔なものはなぎ倒す
そんな、この人が

「……ロニ?」 「大体、銀さんが言い出したんですよ?
俺は、実家のお手伝いはいいんっすかってちゃんと聞きましたよ?」

ちょっとムカつくから
わざと捻くれたように言ってみせる

でも、貴方は
そんな俺なんか、お見通し

「いいんだよ。お前といる方があんなボロ寺で過すより100万倍マシ」

そういって、歩き出すから
俺も慌てて、後を追う

まったく
貴方は、ズルイ

貴方が甘えるのは、俺にだけ

貴方が気を許してくれるのは俺の前だけ
これって、自惚れじゃないっすよね?

貴方が試そうとするのは………俺の何?

人工の光に満ち溢れた町
着飾って歩く人々の中、金と銀のきらめきが一際目立つ

初詣、望むのは
今年も、貴方のトナリに
それだけ










あとがきらしきもの


あとがき MM様からのリクエストで「銀ロニで甘々、初デート」でした。
……スイマセン、短い上にこれ初デートっぽくないですね……;;
それにMY設定入れまくり……;;
一応補足としてウチでの銀設定をば。

「幸谷銀涯(こうや ぎんがい)」
寺の住職の息子として生まれる。
父、母、姉と妹が一人づつの女系家族。
父は彼に寺を継がせようと躍起になっているが、本人は「姉か妹が婿でも貰って来るだろう」と継ぐ気は一切なし。

……はい、痛いっすね……;;

MM様、こんなものでよければお持ち帰り下さいませ……其れはもう煮るなり焼くなりお好きなように(笑)

では、リクありがとうございましたv



06,02/24

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