退屈で窮屈な日常だったんだ……あの「悪魔」に会うまでは

契約







喧嘩は、キライじゃない
舎弟引き連れて夜の高速を飛ばすのも
キライじゃない
ただ……時々
何もかもを、投げ出したくなる時がある
ただ
それだけ

今日も今日とて、喧嘩三昧な日々
当たり前だ
此処は、悪名高い賊学
そして、俺は此処の頭
狙われて当たり前の日々

………めんどくせえ

今日も出来上がる
雑魚の、山

ったく……ふがいなさ過ぎる
間合いの取り方もわかんねえようなお前等じゃ
せいぜい、かすり傷くらいしか付けらんねえだろ?
なあ、そろいもそろって馬鹿な奴ら?
どうせ来るんなら
もっと、俺より核上になってもらわなくちゃ困るんだが?
せめて…俺に血の一滴でも流させて見せろ

この退屈で窮屈な日常から……抜け出させてみせろよ

喧嘩は、キライじゃない
舎弟引き連れて夜の高速を飛ばすのも
キライじゃない
ただ……時々
何もかもを、投げ出したくなる時がある

そんな時に、出会っちまったんだ

予感がしたんだ
ああ、コイツなら……
俺を、変えてくれるんじゃないかと

出会った金髪の悪魔は、確かに俺を変えた
お遊び程度でやっていたアメフトだって
俺は、夢中でやれる様になった

唯、お前は……
俺に、別の感情も残していった

一人で、平気だったはずなのに

お前を求める、俺が居る

お前を手に入れたことは果たして

吉と出たのか、凶とでるのか

お前は、俺にとっては
諸刃の剣、だったのか?

退屈からも
憂鬱からも解き放たれた代わりに

俺は、身も心も
悪魔のモノ

でも、後悔なんざしちゃいねえんだ

お前の口が、俺の名を模るたび
満たされる、俺が居る

そう、これは「契約」なんだ
さながら、俺は「悪魔の花嫁」か?

「契約」によって、手に入った花嫁に入れ込む間抜けな悪魔
もっと間抜けなのは、其れを利用しないどころか、悪魔に惚れた花嫁

そう、惚れちまったらしい

「お互い」に

この関係が行き着く先は

「破滅」か?

それでも、俺は此処に居るんだろうな……

この退屈で窮屈な日常から解き放ってくれた

「悪魔」の、隣に


05,12/25

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