まったく…いい加減にしなきゃね?アタシも…アンタも

寝起き







ルイは、もの凄く寝起きが悪い
そりゃあもう、物凄く悪い

どれ位かって言うと……そうだねぇ…
うたた寝から起きたルイに、うっかり話しかけた一年がいたっけか?
ソイツは殴られたね、容赦なく

寝ている最中もそりゃもう危険だ
アタシ以外が起こそうものなら…
アイツ愛用のバタフライナイフが飛んでくる
それも相手の頬ギリギリに
殺しはしない
それは厭くまで……威嚇の意味しか持たないから

まったく……器用なモンだねえ?

アイツが気配を許すのはアタシだけ
そりゃそうだ
アイツとアタシはいわゆる腐れ縁の中
おかげで…アイツを起こすのはアタシの仕事
他の連中はビビッちまって近づこうともしやしねぇ

まったく……それが嬉しいアタシもどうかしている

アイツが……ルイが気を許すのは
アタシだけだって言外に言ってるみたいだから

「…ほら、起きなよ?ルイ」

酷く無防備な白い背中が愛しくてたまらない
ああ、アタシも女だったんだ……
母性本能とやらが、疼く気がする

「うーー……メ、グ?」
「ほら、いい加減おきなよ!?
キャプテンのアンタが寝てたら話にならないだろ!!」

そう、アンタが気を許すのはアタシだけだったんだけど……

「おう」
「………蛭魔?ウチの部室で何してるんだい?」
「何時までたっても電話でねぇから……わざわざ来てやったらこのザマだ」

蛭魔が軽く視線を向けた先には

寝こける、ルイが居た

「………嘘だろう………?」
「あ?」
「……ふーん、そっか……」

まあ、コイツと出会ってからのルイの態度を見ていて…大体の検討が付いてはいたから
それが、確信に変っただけ

「………まあ、ゆっくりしていきなよ?」

アンタは、アタシ以外に唯一……そこ(ルイの隣)を許された男だ

「アタシは」

アンタが幸せなら、それでいいからさ……

腐れ縁は今日で解消
アンタの隣には……もうアタシは立てないんだろう?
少し悔しい気もするが、いい機会だとも思うから

「ルイを泣かしたら……承知しないよ?」

「………上等だ」

その言葉に満足したアタシは
ルイを起こさないように、部室をでた
まあ……後がどうなるかは
アイツ等、次第


06,01/20

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