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No.1 クリスマスプレゼント



明日はクリスマス。
町に溢れかえるは賑やかな飾りと甘ったるいケーキの匂い
元々今日は神聖な日のはずだが…日本では単なるお祭り騒ぎの日
文化の違いってやつか?
まあ……俺と隣を歩く男には関係無いだろうな
プレゼント交換なんてお互いガラじゃねえし、甘いモンが大嫌いなコイツにはクリスマスケーキなんかも勿論関係が無いわけで
今にも雪が降りそうな町の中
無言で歩く
手袋を忘れてしまった手が、妬けに冷たく感じる

「おい…」
「んだよ……」

ぶっきらぼうなやり取りとは裏腹な
握られた、手の温もり

「ちょ…オイ」
「うるせえ。嫌なら振りほどけば良いだろうが」
「…出来るわけねーだろ」
「だったら、大人しくしてろ」
「……カッ……」

プレゼント交換なんてお互いガラじゃねえし
サンタクロースやら、プレゼントやらも興味ねえし
結局、こうやって
隣同士歩めれば
それが最高の
クリスマスプレゼントなのかもしれない

「あ、雪……」

ちらほらと雪が舞い降りるから
寒いから
早く帰ろうか?
手と手繋いで
帰ろうか?



12/23(ヒルルイヒル)



No.2 貴方 



チキンにシャンパン
甘党の貴方のために作ったクリスマスケーキ

ケーキが食べたいって言い出したのは貴方
一緒に過そうって言い出したのも貴方

それなのに……待ち惚けな俺

早く、早く来て欲しい
クリスマスムード一色な町の中
一人で居るのは寂しすぎる

もう……相変わらずなんですから……
こんな貴方に付き合えるのは俺だけ
そうでしょう?
自惚れても…いいんでしょう?

「あ……」

人ごみの中、見慣れた、銀色

早く、早く……
俺は、此処にいますから……
早く、見つけてください……

チキンにシャンパン
甘党の貴方のために作ったクリスマスケーキ

貴方しか、今の俺には見えないんだから……

何もかも、貴方のためだから

だから、早く
来て、下さいよ………?

12/23(銀ロニ)



No.3 コントラスト



初めは、興味本位で近づいた
男にマジになるとは思わずに

男には、初めから相手が居た
男とは、対照的な色合いの、悪魔が

あいつらが描く、見ほれるほどの色合い
完璧な、コントラスト

あきらめることを余儀なくされた俺

初めは興味本位

だけど、気づいたら本気で

気づいたのは、クリスマス
恋人達の祭典

あーあ……
可愛そうな、俺

12/23(阿→ルイ)



No.4 不安対象 





真っ白な雪

賊徒の白い学ランに白髪(本人は銀だといっているが)なアイツは
まるで雪に溶け込んで、消えていくようで
らしくも無く、不安になる俺がいる

ホワイトクリスマス
真っ白な町並み
目出度い筈の景色は
俺にとっては単なる不安対象

ったく、こんな日くれぇ、要らん心配掛けんな……。

………馬鹿銀

12/23(銀ツン)



No.5 別れ、再開



注意・人形館設定のパラレル

別れたのがクリスマスなら

出会ったのも、クリスマスだった

明るいクリスマスの彩色に負けないくらいの
明るい金の髪
強い眼差しは青

アレから数年たった
また、お前に出会った

相変わらず、代わらないお前
代わったのは……伸びた俺の黒髪と

ぼろぼろになった、お前にもらった髪留めのリボン

アレから数年たった
また、お前に会った

何十年後の、クリスマス

12/23(ヒル←ルイ)






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