やまない、雨  

やまない、雨







冬の雨は、冷たい


ヒタヒタ

ヒタヒタ


雨が奏でる音に、耳を澄ます


音は、途切れることなく、続く
でも、いつかはやむだろう


人の気持ちも、然り


お前の気持ちは、どうなんだろうか?
お前なら、断言できる?
俺は、無理
お前みたいに、俺は強くないから

ヒタヒタ

ヒタヒタ

雨は、湿気た空気を呼び

ユウウツを呼ぶ


一人、家の中
窓を開けた
流れ込んでくる
生ぬるい、風

〜〜〜♪……

鳴り響く、メロディー
この着信は、きっとお前

何で、お前は……

取り次いだ携帯
響くお前の声

『よう』

一言目が、それか?
相変わらずな、奴

この雨が降ろうが振るまいが……

止もうが止むまいが……

お前は、お前で居つづけられるんだろうな……

『ルイ?』

無言の俺に、お前の問いかけ、一つ

なあ、一つだけ
意地の悪ぃ質問、していいか?

「止まない雨って…どう思う?」
『ああ?』
「変わらないモノ…変わるモノは何だと思う…?」

『…止まない雨なんざねーよ。ただな…』

まあ、それはそうだ。……ただ?

『止んではまた振るんだよ。この地球(ほし)を潤すためにな』

何だ、つまんねぇ
お前らしくない、至って普通の…普通すぎる回答(こたえ)
俺が聞きたいのは、そうじゃない

本音が言えない自分が、憎らしい……

『まあ、それはあくまで一般論だ。俺なら…強制的に降り止ませてやるね。
 居もしねぇとは思うが、何なら神だって脅してやるよ』

ああ

こうでこそ、この男だ
見えもしないお前が、何時もの悪魔てきな笑みで笑った気がした。

「…お前なら、やりそー」
『ケケ、お望みだってんならやってやんぜ?
 いつまでも降り続く雨なんざ、邪魔以外の何者でもねえ。アメフトもできねえし…お前の愛車で飛ばすことだって無理だ』

まあなー…それ、下手すりゃ自殺行為

『何より、お前の顔が曇る』

何だ…バレテたんだ?

「あー…いつから知ってた?」

俺が、雨駄目なの

『かなり前から。鬱…みてーなモンだろ、それ』
「ん、まあそんなとこ」
『ったく、今からそっち行ってやるよ…』
「…さんきゅ」
『…おう』

泣きそうに、なった
きっと、お前にはバレてるけど
お前は、俺よりも俺のことを知ってるだろうから
でも、
震えた声が、バレなければいいと

そう思った

ヒタヒタ

ヒタヒタ


止まぬ雨はないというけれど
俺達の、互いを思う気持ちだけは

止まなければ、いい

雨が弱まってきた
お前が来るころには、きっと降り止むから
出かけようぜ、雨上がりの町へ
お前となら
きっと、何も怖くないはずだから










あとがきらしきもの


何なんだろうか、このネガティブなルイは…。
おっかしいなあ…アンニュイな感じを目指したのに…。
こんな駄文ですが、宜しかったらお受け取り下さい。
相互ありがとうございましたv



05,12/02

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