自己満足その1

細い指、銀の束縛







何が欲しい物はないのかと聞くと

「………別にないけど………」

という答えが帰ってきた

俺の言葉に不思議そうな顔をするお前は、自分の誕生日が近いことも覚えていないのだろうか……
何だか拍子抜け
っつか、マヌケ?本人が覚えていないのでは話にもならない

「何でもいいから、言ってみろよ?」

そういうと、さらに不思議そうな顔が帰ってきた
……今のお前なら、頭にクエッションマークを浮かべられそうだ……

「………じゃあ、お前?」

………おい、何だその右上がりな答え方は?

「……分かった」
「いや、冗談だけど?つか、お前が誰かのものになるなんざ考えつかねーし」

まったく、よく言ってくれる
此処まで俺を虜にしておいて………

この男は、変なところで天然が入ってやがる………

「ケケケ、楽しみに待ってろよ?」

いいだろう、クレテやる
この、悪魔と恐れられる自分を

後10日ほどたてば
俺の指には銀の輝きが収まっていることだろう

典型的な方法だが、まあいいだろ?
女っぽくて嫌いだが、お前は綺麗だとかぬかしやがるこの指に

銀の、束縛を


06,01/14

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